===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス (一般公開版) 2007年12月号 =====================================  寒さが一段と厳しくなってきました。今年は例年より早く、インフルエンザが 流行しています。今年の主流は近年では珍しいソ連型で免疫の少ない若い世代は 要注意だそうです。どうぞお気をつけて。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  本メールマガジンは、XMLコンソーシアムの活動を幅広く知っていただくために、 XMLコンソーシアム会員向けニュースからトピックを抜粋し、会員以外の方々にも ご紹介するものです。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆今月のPick Up 特集:XMLコンソーシアム DAY開催(12月4、6、7日) ◆今後の予定 ◆XMLコンソーシアム会員向けニュースの全目次 ===================================== 【今月のPick Up】特集:XMLコンソーシアム DAY開催(12月4、6、7日) =====================================  12月4日から3日間、毎年恒例のXMLコンソーシアムDayを開催しました。「使っ ていますか、XML」をテーマに掲げ、今年度の活動の中間発表を行いました。どの 部会も今年度の活動が軌道に乗ってきたところです。現時点で苦労していること や来年6月のWeekまでの展望まで、活発な活動の様子が伝わってきました。 ◆XMLコンソーシアム DAY開催案内  http://www.xmlconsortium.org/seminar07/071204/071204-info.html -------------------------------------------------------------------------- 12月4日(火) サブテーマ「ユーザ主導のためのXML」 -------------------------------------------------------------------------- ◆基調講演  「システム統合におけるSaaS型プラットフォーム:  あらゆるビジネスニーズにあったインテグレーションを柔軟かつ迅速に提供」  株式会社セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長 宇陀 栄次 様  近年「SaaS(software as a service)」への関心が高まっています。民間企業 だけではなく総務省や経済産業省も期待し、ASPやSaaSの認定制度を設置する動き もあります。またITベンダーの多くもSaaSへの参入に意欲的です。SaaSは必要な 時に必要な分だけ料金を払って利用するため、自動車業界でいえば(自家用車で はなく)タクシーを利用するイメージです。これはIT産業に様々なパラダイムシ フトをもたらすと期待できます。宇陀氏はSaaSのインテグレーション手法やデモ、 またSaaS型プラットフォームのもたらす可能性について語りました。 ◆Web2.0部会  Web2.0部会からはマッシュアップの体験から得た教訓や最近のWeb2.0的なサイ ト動向を中心に発表しました。マッシュアップでサイトを構築する舞台裏ではど のような手法やサイトが人気か、また開発作業で苦労したことやその解決方法な どが提示されました。最新のマッシュアップの開発環境や開発ツールも紹介され、 これらを使えばものの数分でサイトが構築できるほど手軽にマッシュアップが可 能となりそうです。一方、社内有志が構築・運営しているNTTデータの社内SNSサ イトの紹介もありました。最後のパネルディスカッションではブログのタグを地 図で表示する「BLOG RANGER TG」の紹介から、Web API周辺の様々な話題を討論し ました。 -------------------------------------------------------------------------- 12月6日(木) サブテーマ「アーキテクトのためのXML」 -------------------------------------------------------------------------- ◆招待講演  「SOAはBPMを必要とする」  日揮情報ソフトウェア株式会社 代表取締役社長  日本BPM協会運営幹事 BPMコモンセンス部会リーダ 岩田アキラ様  現実を見渡すとSOAに二の足を踏んでいるユーザーが多くいます。原因にはSOA が技術一辺倒でEAI代替技術の域を脱していないなどがあり、SOA市場を活性化す るにはSOAにBPM(business process management)も加味してユーザーに訴求する 必要があると岩田氏は指摘しています。ビジネス環境と技術の実装の架け橋でボ トルネックとなるのがモデリングであり、これはアナリストとアーキテクトのコ ミュニケーションギャップを埋めるには不可欠な要素です。それゆえにSOAソリュ ーションでは技術スキルのみならず、ビジネスプロセスのフローをモデリングす るノウハウやスキルが必要になります。講演ではBPMとそれに関連したBPMN、BPEL、 XPDLなどの特徴や最近の動向などを解説しました。 ◆関西部会  関西部会は本年度で活動が3年目に突入し、ますます参加者の“身”となる活動 となっています。これまで「いまどこ」という愛称のWebサービスアプリケーショ ンを充実させてきましたが、本年度はフラワーアレンジメントのビジネスを想定 したビジネスプロセス研究(モデリング)へテーマを移して活動をしています。 また大学でIT関連の研究を行うゼミ生らとの座談会も行うようになり、学生との 意見交換から新たな発見や親交も始まっています。 ◆ビジネスイノベーション(BI)研究部会  BI研究部会ではBPM/SOAベースのシステム構築で鍵となる適切なサービス抽出に 向けて要求の「見える化」に取り組んでおり、本年度ではゴール指向分析手法の1 つ「i*法」に着眼して研究を行っています。これはアクターやゴールなどの要素 と依存関係を使いモデル化します。これまでの手習いから得た教訓がいくつか発 表されました。今後は継続して手習いを続け、ビジネスプロセス分析との比較や 相関を研究していきます。 ◆SOA部会  SOA部会はBI研究部会と同時並行に活動を行っている部会です。BI研究部会とは 対照的に技術(SOA)からビジネスへとアプローチしています。本年度は特にSaaS とSOAとの関連性について着目し、5つのWGを構成することになりました。それら がSOAサービス設計WG、SaaS調査研究WG、SOAクライアントWG、SOA標準技術調査WG、 SOA普及の障壁WGです。また11月には部会メンバーが寄稿した「SOA研究 vol.1」 (リックテレコム)が刊行になりました。ご興味のある方はどうぞ。 -------------------------------------------------------------------------- 12月7日(金) サブテーマ「エンジニアのためのXML」 -------------------------------------------------------------------------- ◆クロスメディア・パブリッシング部会  ワンソース・マルチユースによって管理されるデータを複数のメディアに出力 して利用するのが「クロスメディア」で、当部会はこれに関する動向調査などを しています。本年度からは組版のための規格「XSL-FO」の調査および実践を活動 内容に加えました。発表ではデジタルブックの概要や事例、またWeb広告やQRコー ドの活用、電子ペーパー端末の新聞・書籍サービスなど部会内で関心が高かった クロスメディアに関する最新動向も紹介されました。 ◆XMLDB部会  2006年から2007年にかけて、XMLDBを取り巻く情勢は急速に変化を遂げています。 特に2007年1月にXQuery 1.0がW3C勧告となったことは大きな転機でした。XMLデー タ処理の共通基盤が整い、ここから各種データベースベンダー製品に本格的なXML 機能が搭載されるようになりました。現在当部会の技術系WGではノウハウを蓄積 するX-Pediaを制作中で、マーケティング系WGでは各製品および市場調査を進めて います。発表ではごく最近のXMLDB製品動向の解説もありました。 ◆招待講演  「Situational Application〜エンドユーザー主体のアプリケーション開発手法」  日本アイ・ビー・エム株式会社 野口 雅人 様  SA(Situational Application)とは少人数や特定要素向けで、主に利用者が必 要に応じて簡単に作成や変更を繰り返すようなアプリケーションです。新しい概 念ではなく、ExcelやLotus Notesでも実践されてきました。しかし近年では一般 ユーザーのITリテラシーが高まり、またWeb2.0ブームで手法や価値も高まり、再 び注目されています。あらためてWeb2.0とSAの違いとは何か、SAのプラットフォ ームの解説、マッシュアップツールのデモなどを通じ、SAの可能性と普及に向け た課題について説明がありました。 ◆Webサービス実証部会  Webサービス実証部会では、Webブラウザ上で動作するバーチャルなOS「WebOS」 の研究を進めています。WebOSを使えば将来あらゆる端末からWebOSにアクセスす ることも考えられます。そこで今回はWiiやiPod Touchなど7種のインターネット デバイスを使い、WebOSにアクセスすることを試みました。どれも想定外の使用な ので実践にはまだ課題が残りますが、「ここまでできるならあともう少し。ゲー ム機の性能が進化すれば実用的になるかも」という感触がつかめました。また WebOS間の連携を実施した結果も発表しました。今後部会ではさらにWebOSの最新 動向やAPIの調査を進めていく予定です。 ◆aPlatプロジェクト  これはWebOS間の連携における認証の一元化をテーマにしたプロジェクトで、セ キュリティ部会とWebサービス実証部会が合同で取り組んでいます。Webサービス 実証部会でWebOS間の連携を研究する中で、WebOSごとに認証が必要になることが 壁になっていました。また同時にセキュリティ部会ではID管理や認証一元化に関 心を持っており、両者の思惑が一致し合同で研究を進めることにしました。これ までiPlatやsPlatプロジェクトがあったので今度はauthenticationから頭文字を とり、aPlatプロジェクトとなりました。 ◆セキュリティ部会  セキュリティ部会では主にXMLに関連するセキュリティ技術をテーマに掲げ、調 査や実験を行っています。本年度の活動には主に標準規格の調査や勉強会、製造 業XML推進協議会との連携、WebOSの一元認証(aPlat)などがあります。今回はこ れまで研究したものの1つ、IDの一元管理を実現する「OpenID」の紹介がありまし た。これは基本的にURLをIDとして認証を一元管理する技術です。現時点では1.1 ですが、2.0がドラフトとして策定中なので動向を注視していく予定です。最後に 生産工場システムにおけるセキュリティリスクとその対策について、部会が研究 した内容が発表されました。 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆12月12日(水):クロスメディア・パブリッシング部会(会場調整中) ◆12月13日(木):部会リーダー会、運営委員会 ◆12月14日(金):Webサービス実証部会+セキュリティ部会(TEL デバイス) ◆12月20日(木):SOA部会+BI研究部会(日本IBM 箱崎事業所) ◆12月20日(水):XMLDB部会(日本オラクル) ◆ 1月10日または11日:Web2.0部会(NTTデータ) ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント] ◆2007年12月18日(火)  丸山先生レクチャーシリーズ 2007-2008  http://www.c-sq.com/modules/article/index.php?&category=5 ◆2008年1月29日(火)  ソフトウェアジャパン 2008 (協賛)  http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/forum/software-j2008/ ◆2008年2月13日(水)〜14日(木)  Developers Summit 2008 ===================================== 【XMLコンソーシアム会員向けニュースの全目次】 ===================================== ◆特集:XMLコンソーシアム DAY開催(12月4、6、7日) ◆活動実績(2007年11月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【このメールマガジンについて】 =====================================  本メールマガジンは、XMLコンソーシアムの活動を幅広く知っていただくために、 XMLコンソーシアム会員向けニュースからトピックを抜粋し、会員以外の方々にも ご紹介するものです。より詳しくお知りになりたい方は、下記ホームページをご参 照いただき、ぜひXMLコンソーシアムにご入会ください。皆様のご参加を心よりお 待ち申し上げております。 XMLコンソーシアム:http://www.xmlconsortium.org/ 入会のお申し込みはこちらから:  http://www.xmlconsortium.org/servlet/xmlc/template/ComUserReg.vm 事務局:〒130-0022 東京都墨田区江東橋 2-19-7 富士ソフトビル mailto:xmlcons@fsi.co.jp Copyright(C) 2007 The XML Consortium 掲載記事の無断転載、転用、編集はご遠慮ください。 =====================================