===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス 2005年3月号 ===================================== 先日、CDを購入しました。いつもは馴染みのECサイトから注文するのですが、残念 なことにそこでは中古のみでした。そこでレーベル会社のオンラインショップを見 てみれば、ここも売り切れ。しかしあるポータルサイトではそのCDを販売している ショップの一覧があり、値段、送料無料となる金額、受取方法が微妙に違うことま で一目瞭然でした。どこで購入しても手元に届く製品は同じなのに、こうしたわず かな差が売上を左右してしまうのだなあとあらためて実感しました。 メールマガジンの配信先については末尾の案内をご覧ください。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆イベント:XMLデータベース徹底研究 ◆部会探訪:セキュリティ部会 ◆部会探訪:Webサービス実証部会 ◆活動実績(2005年3月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【イベント:XMLデータベース徹底研究(3月14日)】 ===================================== 3月14日、メタデータ活用部会を中心に「XMLデータベース徹底研究」セミナーが 開催されました。会場となったIBM箱崎事業所にあるAVルームはほぼ終日満席とな るほど盛況でした。 今回メインテーマとなる「XMLデータベース」については、1月開催のXMLコンソー シアムDAYでも採りあげましたが、当時は中立的な立場から説明する概要編でした。 しかし今回はそれとがらりと変わり、各ベンダーから自社製品の特徴を具体的に紹 介する実践編でした。紹介された製品は以下の通りです。(登場順) ○DB2 Universal Database (UDB) V8(IBM) ○EsTerra XML Storage Server(メディアフュージョン) ○Karearea(セック) ○Oracle Database 10g (Oracle XML DB)(オラクル) ○Sonic XML Server(ソニックソフトウェア) 印象的だったのは、各社各様に持つ強みや実装の違いがはっきりと浮き出ていたこ とです。これはそれぞれが持つXMLに対するとらえ方やビジョンの違いのようです。 どれが正しいとか、単純に優劣を比較するのは無粋だと感じました。当セミナーに て、どのような環境や性質ならどの製品が最適となるか、そのヒントを得るのに役 立てられたのではと思います。 特別講演ではコンソーシアムの顧問でもある名古屋大学情報連携基盤センターの吉 川正俊教授が壇上に立ちました。学術的で高度な技術解説から、Microsoft SQL Server 2005など出荷前の製品や検索エンジンから発想を得たXMLサーチエンジンな どの最新技術動向まで広い視野で語られて興味深いものばかりでした。 最後のパネルディスカッションでは、参加者からXMLをシステムに導入することへ の率直な不安が吐露される場面もありました。しかしむしろ、今回の対話を引き出 せたことはコンソーシアムにふさわしい役割を担うことができたように思います。 ベンダーとユーザーの間に生じてしまうギャップを埋めるには、技術的なノウハウ や得られるメリットについての理解を深めるなど、地道で継続的な努力が必要です。 そのためにはコンソーシアムが持つ役割は今後も重要であると再認識しました。 セミナープログラム http://www.xmlconsortium.org/seminar/m32/prog.html ===================================== 【部会探訪:セキュリティ部会(3月16日)】 ===================================== 3月のセキュリティ部会ではWSS翻訳の公開に向けた最終調整がなされました。そし てついに3月31日にはセキュリティ部会の成果物となるWSS翻訳が以下のURLで公開 されることになりました。WSS翻訳は今後も関連文書を継続して翻訳する予定です。 WSS翻訳 http://www.xmlconsortium.org/wg/sec/wss.html 翻訳に限らず、セキュリティ部会はドキュメント化に熱心です。リーダーの岡本さ んはこれまでのセミナーで使用したスライド資料に説明を加えて公開したいとの意 向を示していました。また活動の一環で、技術者向けのメディアに解説記事を寄稿 することも検討されていて、現段階では「広く役立つもの」として具体的な構想を 練っているところです。 また6月のコンソーシアムWeek準備として、セキュリティ部会からの発表する4本の 題目と発表者が決まりました。ほかにも7月にはセキュリティを主題としたコンソ ーシアムセミナーが予定されています。今回の部会では具体的な講演内容が各人か ら提案され、今後この骨格をもとに調整が図られていく模様です。 セキュリティと関連して、いま個人情報保護法やe-文書法が4月の全面施行を前に話 題となっています。7月のセミナー開催近くになれば、施行した後に明らかになる こともありそうです。こうした話題ももしかしたら盛り込まれるかもしれないとひ そかに期待しています。 今回の部会では今後の活動具体案がかなり決められました。企画や分担を着々と決 定し、有用なドキュメントを次々と発信していくため、寡黙で敏腕な印象も感じま した。寡黙とは今回たまたま決めごとが多かったせいかもしれません。 ただ目下の悩みは「参加者がまだ少ない」ことだそうです。そこで「(ユビキタス 部会のように)部会内でセミナーを開催してはどうか」と提案があり、早速4月の 部会では「SAML」と「各種ツール」の2項目で短い発表を開催することが決まりま した。「○○について知りたい」といったリクエストも歓迎だそうです。セキュリ ティに興味がある方は、まずは次回(4月20日)の部会から足を運んでみてはいか がでしょうか。 ===================================== 【部会探訪:Webサービス実証部会(3月25日)】 ===================================== Webサービス実証部会では万博での実証実験に向けて最終的な調整をしています。 連携するメタデータ活用部会やセキュリティ部会からも参加があり、部会には多く の顔が並びました。 システムの初舞台は5月18日のビジネスショウとなります。そこまでに完成させる ように逆算すると、5月の連休明けには全体で最終的なテスト、また4月の中頃には テストサービスを徐々に開始する計画です。こうしたテストのスケジュールもある ため、 次回の定例部会はいつもより早めの4月13日に開催することになりました。 リーダーの松山さんからの報告によると、行政との交渉では国土交通省が持つバリ アフリー情報等も活用して欲しいとの打診があるそうです。松山さんは「可能な限 り対応したい」と話していました。 具体的には新たに愛知県のMobiPLATを活用することになりました。MobiPLATとは愛 知県の総合情報提供基盤となるシステム(インフラ)で、これを利用したサイトに は「スキップあいち」(http://www.skip.pref.aichi.jp/) があります。 実証実験では周知の通り、すでに道路交通情報や気象情報などとの連携を想定して いますが、 行政のシステムも含めて外部との連携は今後さらに範囲が広がり、さ らに高機能なシステムに成長しそうです。 また部会では、あらためてこの「愛知万博でのWebサービス実証実験」プロジェク トを「iplat」と呼ぶことに決まりました。この「iplat」は今後はXMLコンソーシ アムのサブドメイン名やサービス名などに共通して使われることになります。 プロジェクトが大詰めの段階のため、部会の大半は技術的な調整に割かれました。 システム構築のプロが結集しているため、技術的な改善提案や実運用での懸念事項 などが活発に飛び交いました。まさにシステム構築現場の雰囲気がひしひしと伝わっ てきました。 「さすが」と思えたのは、技術的な話に火がついたら止まらないことです。部会終 了後に何人かの担当者が情報交換を始めたらなかなか収束する気配が無く、その議 論は後に1時間は続いたそうです。「みんな、好きだから」と参加者は笑って話し ていました。確かに。技術の可能性を探っていると時間を忘れてしまうようです。 ビジネスショウの後には、コンソーシアムの総会やWeekでも簡単なデモや解説が行 われる予定です。万博や各地のデモでは多く人が興味を持ってくれるといいですね。 ===================================== 【活動実績:2005年 3月】 ===================================== ◆3月 3日:ContactXML部会 ◆3月10日:運営委員会 ◆3月14日:セミナー「XMLデータベース徹底研究」 ◆3月16日:セキュリティ部会 ◆3月17日:SOA部会+BI研究部会       メタデータ活用部会 ◆3月24日:ユビキタス・組み込み系部会 ◆3月25日:メタデータ運営部会+Webサービス実証部会 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆4月13日:Webサービス実証部会+メタデータ活用部会(日立 大森ベルポート) ◆4月14日:運営委員会(インフォテリア) ◆4月15日:ユーザーシンポジウム(東京コンファレンスセンター品川) ◆4月20日:セキュリティ部会(東京エレクトロン) ◆4月21日:SOA部会+BI研究部会(IBM箱崎事業所)       ユビキタス・組み込み系部会(日立 大森ベルポート) ◆5月27日:XMLコンソーシアム総会(東京コンファレンスセンター品川) ◆6月初旬:XMLコンソーシアムWeek開催予定 ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント] ◆4月26日〜27日:UML Forum/Tokyo 2005 http://www.otij.org/UMLForum2005/ ◆5月10日〜18日:The 14th World Wide Web Conference(WWW2005) http://www2005.org/ ◆5月18日〜20日:ビジネスショウ TOKYO 2005 http://bs.noma.or.jp/ ===================================== 【運営委員会から】 ===================================== 4月15日にはXMLコンソーシアム公式イベントとして、ユーザーシンポジウムが品川 の東京カンファレンスセンターで開催されます。テーマは「リアルWebサービス」 として、Webサービスのリアリティに迫ります。 なおXMLコンソーシアムが監修した書籍「リアルWebサービス」がついに発刊となり ます。ユーザーシンポジウムでは参加特典として全プログラム参加された方に抽選 で10名にプレゼントいたしますので、奮ってご応募下さい。 ほかにもXMLコンソーシアムメンバーが発表を行う関連イベントがあります。 「UML Forum/Tokyo 2005」では、4月27日にXMLコンソーシアムの鶴保征城会長が基 調講演を行います。「WWW2005」では、5月10日にはメンバーがチュートリアルで発 表を行います。RDFやセマンティックWeb技術等について2本が予定されています。 さらに「ビジネスショウ」では、Webサービス、愛知万博でのWebサービス実証実験 (iplatプロジェクト)、ユビキタスなど多岐に渡る発表が予定されています。 こちらも機会があればぜひ足を運んでみてください。 ===================================== 【編集後記】 ===================================== 先日Newsweek日本版を見たら「昨年末のスマトラ沖大地震では、ブログが被災地の 現状報告に一役買った」とありました。 ちょうどそれに触れようとしたら、再びスマトラ沖で地震があったとの報道が流れ て来ました。今回は前回ほど大規模な津波は発生していないようですが、被害が最 小限で収まることを祈らずにはいられません。 筆者自身、昨年の新潟中越地震の当日はたまたま湯沢に遊びで訪れていたため、地 震に遭遇してしまいました。停電で信号も消灯するなか下道を走り、カーナビが VICS情報を受信したところでようやく「脱出できた」と安心した記憶があります。 当時は通話制限がありましたが携帯メールは送信できたので、もし今回のiplatの ようなシステムがあれば多大な貢献ができるかもしれないと感じました。もちろん、 ナマズさんにはできれば静かに眠っていて欲しいのですが。 ===================================== 【このメールマガジンについて】 ===================================== 発行人:鶴保征城 編集人:加山恵美 当メールマガジンはXMLコンソーシアム会員を対象に発行しております。 転送する場合は社内に限定するなど、ご配慮をお願いいたします。 次回以降の配信先の変更や追加、および要望はXMLコンソーシアム事務局まで ご連絡ください。 XMLコンソーシアム URL :http://www.xmlconsortium.org/ 事務局:mailto:xmlcons@fsi.co.jp 住所 :〒130-0022 東京都墨田区江東橋 2-19-7 富士ソフトABCビル Tel :03-5600-6205 Fax:03-5600-6431 Copyright(C) 2005 The XML Consortium =====================================