===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス 2005年5月号 =====================================  春バラがいい季節になりました。東京で唯一の路面電車、都営荒川線の沿線に植 えられたバラがいま満開です。つい先日は友人と一日乗車券を買い、沿線を散策し ました。のどかでいい気分でした。 メールマガジンの配信先については末尾の案内をご覧ください。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆総会特集1:活動はビジネスに立脚し、具体的な解決策研究へとシフト ◆総会特集2:Webサービス実証実験デモ(iPlatプロジェクト) ◆総会特集3:来賓挨拶より ◆寄稿:経験者の真の実力を試せる試験「XMLマスターV2試験」開始 ◆活動実績(2005年5月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【総会特集1】活動はビジネスに立脚し、具体的な解決策研究へとシフト =====================================  XMLコンソーシアム第5回総会が5月27日に東京カンファレンスセンター品川で開 催されました。1年の総括や今後の予定について議案が出され、全議案が満場一致 で採択されました。  昨年度からXMLコンソーシアムは活動の主眼をシフトし、成熟した新しい段階へ と歩み始めたところです。当初はXML技術の普及と啓発に力点をおいていましたが、 昨今では「XML」の周知についてはかなり達成されてきたという手応えがあります。 そこで今後は実際のビジネスにXML技術を適用する具体的な施策を研究し、啓発し ていくこととなりました。  そうしたなかで昨年度もXMLコンソーシアムは精力的に活動を展開してきました。 総会、理事会、運営委員会や部会活動のほかにも外部への情報発信を数多く行って きました。「リアルWebサービス」はXMLコンソーシアムメンバーが中心となり執筆、 監修した初めての書籍です。Webサービスの正統で実用的な教科書として幅広く貢献 することを期待します。 主な2004年度活動: ○ セミナー開催4回 ○ ユーザーシンポジウム開催 2回 ○ 部会活動成果発表 2回 ○ 顧問選任 4名、エバンジェリストの追加選任 7名 ○ 外部団体との協業関係 ○ 実証実験(TravelXML や道路交通情報Webサービスとの連携など) ○ 標準策定(TravelXML Version 1.2.1 / 1.3 勧告など) ○ 成果物公開(Web Services Security 1.0 日本語訳) ○ 表彰受賞(情報化月間推進会議議長表彰) ○ 外部イベントへ講師派遣や協賛/後援、ブース出展(ビジネスシヨウなど) ○ プレスリリース 8回 ○ プレス取材対応、記事や書籍の執筆(「リアルWebサービス」など) ○ アンケート実施 ○ ホームページ更新(イベントや部会開催案内、成果物の公表など) ※詳しくは議案書や付属資料をご参照ください。 ※6月初めにXMLコンソーシアムのホームページにアップする予定です。  また副会長の平野洋一郎氏(インフォテリア)は今後について「これからはファ クトからオピニオンが重視される時代へ」と予見していました。もはや事実ならす ぐにネットで検索できる時代です。今後は「誰が何をどう考えているのかを把握す るのが大事となってきます」と説明しました。XMLコンソーシアム活動はこうした 意味でも重要性を増してくることでしょう。  最後の会長挨拶でも鶴保征城氏(独立行政法人 情報処理推進機構)は「総会に 顔を出すだけではなく、コンソーシアムの部会活動にも積極的に参加して会費以上 のメリットを得て会社のビジネスにつなげてください」と述べていました。 ===================================== 【総会特集2】Webサービス実証実験デモ(iPlatプロジェクト) =====================================  Webサービス実証実験(iPlatプロジェクト)が総会で披露されました。これは 「愛・地球博」期間中に試験提供される道路交通情報を活用したWebサービス実証 実験です。XMLコンソーシアムのTravelXMLも活用されています。  今回のiPlatプロジェクトでは「自分たちが使ってみたいシステム」をメンバー で意見を持ち寄り、旅行プラン作成システムを構築しました。特に多様な製品を組 み合わせるなど、1社では困難なことをメンバーが協力して達成しました。  当システムは「愛・地球博」近辺へ旅行することを想定し、天気や混雑状況、 名所案内などの情報を手軽に収集し効率的に行程管理できるようにするものです。  システムのバックグラウンドでは、衛星地図、メール通知、多言語翻訳、知識検 索、旅行先情報、気象情報、道路交通情報、マッピング、座標変換、観光情報、宿 泊施設情報、ブログ情報集約など 13個のWebサービスと4個のサーバが2種類の異な るクライアントから有機的に連携して機能しています。  来たるコンソーシアムWeekではより詳しくデモと解説が行われます。ぜひその全 容にご注目ください。 ===================================== 【総会特集3】来賓挨拶 ===================================== ◆慶應義塾大学教授 兼 XML技術者育成推進委員会会長 斎藤信男 様  斎藤氏は5月に日本で開催されたWWW2005やW3C周辺の動向に触れました。W3Cでは ここ数年セマンティック分野に注力し、成果物も確実に増えてきています。 「しかし本当にやりたいのはAmazonのように本が届くところまでやることです」と 斎藤氏。ネットでキーワードから検索するだけではなく(場合により流通も含め)、 ユーザーの最終的な目的まで達成することを目標に掲げています。今後は社会構造 も考慮して信用や安全性など技術開発を発展させていくことを考えているそうです。  さらにモバイル分野も注目です。W3Cは5月にモバイルのWeb標準化のためにMWI (Mobile Web Initiative)を立ち上げました。これによりモバイル機器の可用性 を高め、モバイルの利用価値を高めることに寄与しそうです。 ◆財団法人 日本道路交通情報センター 業務部 次長 柳谷正則 様  道路交通情報といえばテレビやラジオなどでもすっかりおなじみとなっています が、かつては交通情報と道路情報が別々に管理されていたそうです。しかし昭和43 年(1968年)の悲惨な飛騨川バス転落事故を契機に一元的かつ統合的にドライバー に情報を提供するようになり、現在の道路交通情報へと発展してきたそうです。  身近な例として柳谷氏はカーナビなどで使われるVICS情報の流れを図示しながら 道路交通情報のシステム概要を解説しました。またここ数年ではネットからの道路 交通情報へのアクセスが増加の一途をたどっているそうです。大雪に見舞われた昨 年の大みそかは1日だけで811万ページビューを記録したなど、需要が伸びています。  XMLコンソーシアムiPlatプロジェクトは民間の道路交通情報活用の先陣を切った そうです。「これからもご協力をいただきたい」と柳谷氏はXMLコンソーシアム活動 に期待を寄せていました。 ◆米国HR-XMLコンソーシアム 主席アーキテクト Paul Kiel 様 日本人材データ標準化協会(HR-XMLコンソーシアムジャパン)専務理事 竹川忠徳様  HR-XMLコンソーシアム(http://www.hr-xml.org/)は設立して5年、XMLコンソー シアムとほぼ同年代にあたります。これまでの活動成果として、ライブラリには 100もの相互依存のスキーマがあり、それらはドメインを超えても一貫性を保持す ることができるとKiel氏は解説しました。  近年欧米ではRFP要件の普及という背景もあり、HR-XMLは著名なベンダー製品か らのサポートも広まりつつあるようです。最近の活動ではローカリゼーションの重 要性が高まり、2005年の主要な課題のひとつとなっています。  Kiel氏は「人に関することならこちらに任せてください。インフラなどの分野で はXMLコンソーシアムなどを頼りにしていきたいです」と語っていました。 ===================================== 【寄稿:経験者の真の実力を試せる試験「XMLマスターV2試験」開始】 ===================================== XML技術者育成推進委員会  XMLコンソーシアムも参加しているXML技術者育成推進委員会の実施する「XMLマ スター:ベーシック」「XMLマスター:プロフェッショナル」の両試験が来る6月1 日よりV2試験にバージョンアップされます。 「XMLマスター:ベーシック」はXML、XML Schema、XSLTなどの個々の要素技術を利 用する上での基本的な技術力が問われる基礎レベルの認定試験。「XMLマスター: プロフェッショナル」は、XMLデータ処理を行うシステム構築の実践力を認定する 高度な認定試験です。  いずれの試験もV2試験ではサンプルとなるインスタンスやコードが提示される問 題が中心となり、短時間にXML文書、XML Schema文書、XSLTなどを読解、解析しな いと解けないため、ある程度の実務経験がないと合格は難しそうです。  特にプロフェッショナル試験の最後のセクション「XML要素技術の活用」では、 実際のボキャブラリ(TravelXMLやContactXMLなど)を使ったサンプル問題が提示 されますので、より実務に近い問題となります。  下記のページの受験モニターレポートにもあるようにかなり難易度も高くなって いますので「XMLマスターV2試験」は経験者の実力を試す試験と言えそうです。 ◆XMLマスターV2 モニター受験レポート http://www.xmlmaster.org/v2/monitor/pro_01.html ===================================== 【活動実績:2005年 4月】 ===================================== ◆5月10日:関西活動検討会 ◆5月11日:メタデータ活用部会 ◆5月12日:運営委員会 ◆5月18日:セキュリティ部会 ◆5月19日:SOA部会+BI研究部会 ◆5月20日:ユビキタス・組み込み系部会 ◆5月27日:XMLコンソーシアム総会 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆6月 7日〜10日:XMLコンソーシアムWeek http://www.xmlconsortium.org/seminar/w05/annai_v2hp.html  2004年度の部会活動と関西エリアの活動に関する成果発表と、2005年度に向けた 活動計画を中心に発表が行われます。 6月 7日(火) 「セキュリティ、ユビキタスDay」(日立ソフト 品川シーサイド) 6月 8日(水) 「SOA、ビジネス・イノベーションDay」(日本IBM 箱崎) 6月 9日(木) 「メタデータ活用、標準化Day」(日本IBM 箱崎) 6月10日(金) 「道路交通情報Webサービス実証実験Day」(日本IBM 箱崎) ※会員、非会員とも無料 ◆6月 3日:TravelXML標準化部会(NTTデータ 豊洲センタービル) ◆6月 9日:運営委員会(NTTデータ) ◆6月16日:SOA部会+BI研究部会(IBM箱崎事業所) ◆6月17日:ユビキタス・組み込み系部会(日立 大森ベルポート) ◆6月21日:関西活動検討会 ◆6月29日:セキュリティ部会(日立製作所 大森第二別館) ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント] ◆6月24日:ビジネスモデル学会第5回KM研究会 〜ビジネスSNSとナレッジマネジメント〜 http://www.biz-model.org/whatsnew/detail.html?whatsnew=54 ※XMLコンソーシアム会員なら参加費は1000円(一般2000円) ===================================== 【運営委員会から】 =====================================  このメルマガは会員企業向けに配信しています。社内であればいくら転送しても 構いません。XMLコンソーシアム活動の有用性を社内に広めるためにも、ぜひ社内 でご回覧ください。配信先の変更や追加があれば事務局までお申し付けください。  XMLコンソーシアムメンバーが執筆した「リアルWebサービス」がついに刊行とな りました。会員企業に1冊ずつ配布いたしました。Webサービスの専門家らが執筆、 監修した本です。ぜひ参考にしてください。  6月初めにはXMLコンソーシアムWeekを開催いたします。ぜひ足をお運びください。 ===================================== 【編集後記】 =====================================  ビジネスシヨウの当日、完成ほやほやの旅行プラン作成システム(Webサービス 実証実験iPlatプロジェクト)を目にすることができました。実在する史跡や名所 が衛星写真上にシステム化されて表示され、その近未来的なようすに「アメリカド ラマの『24』みたい」と感じました。すると開発に携わった人は「昨晩はまさに 『24』みたいでしたよ。同時並行にシステムの連携が確認できたり調整したりし ましたから」と教えてくれました。深夜まで作業をしたせいか何人かは目が赤かっ たような気もします。本当にお疲れさまでした! ===================================== 【このメールマガジンについて】 ===================================== なお、当メールマガジンはXMLコンソーシアム会員を対象に発行しております。 転送する場合は社内に限定するなど、ご配慮をお願いいたします。 次回以降の配信先の変更や追加、および要望はXMLコンソーシアム事務局まで ご連絡ください。 発行人:鶴保征城 編集人:加山恵美 XMLコンソーシアム:http://www.xmlconsortium.org/ 事務局宛てメール :mailto:xmlcons@fsi.co.jp 〒130-0022 東京都墨田区江東橋 2-19-7 富士ソフトABCビル Tel:03-5600-6205 / Fax:03-5600-6431 Copyright(C) 2005 The XML Consortium =====================================