===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス 2007年3月号(2007年3月9日発行) =====================================  少し前までの予測によると「今年の花粉は少ない」とのことでしたが、それに 反して花粉はしっかりと猛威をふるっているようです。自然界を予測することは 難しいですね。同時に花粉に負けない強い身体作りも大切だと痛感しています。 メールマガジンの配信先については末尾の案内をご覧ください。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆インタビュー:ユビキタスWeb部会リーダー根岸寛明氏(富士通) ◆部会探訪:セキュリティ部会 ◆部会探訪:クロスメディア・パブリッシング部会 ◆活動実績(2007年2月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【インタビュー:ユビキタスWeb部会リーダー根岸寛明氏(富士通)】 =====================================  今般「ユビキタス・組み込み系部会」が「ユビキタスWeb部会」と部会名を変更 することになりました。その背景や活動内容について、新たにリーダーに就任した 根岸寛明氏(富士通)におうかがいしました。  「部会名は変更しましたが、活動内容の本質はこれまでと同じです」と根岸氏。 看板を変えての再出発というよりは従来の活動内容に即した部会名に改め、活動の 効率化を図ることのできる枠組みへと調整した結果と言えそうです。  経緯を振り返ると、部会は2004年度にスタートしました。当初はユビキタスに関 する技術調査や分類から着手し、2005年度にはモデル構築、2006年度にはベストプ ラクティス考察へと内容を発展させてきました。一貫しているのはユビキタスをキ ーワードにした技術と将来像に焦点を当てているということです。  活動内容について根岸氏はこう述べています。「当部会ではユビキタスをキーワ ードにXMLをどう活用していくかを調査しています。現在の技術がどう発展しどの ような世界が実現していくのか、また同時にどのようなことが懸念されるかなど、 将来の予想図から新たな脅威まで明暗どちらも見据えています。当初はユビキタス と言うと移動可能なデバイスに目が向きがちでしたが、活動を進めていくうちにそ うした組み込みハードウェアだけではなく、ユビキタスが発展したWebの世界像を 考察するようになったので『ユビキタスWeb部会』と名前を改めることにしました。 今やXMLはコモディティ化していますので上部構造としてのWebを考慮する必要が高 まっていると考えています」  2005年度に実施したユビキタスのモデル構築については、その重要性からさらに 掘り下げていくことになりました。これまでも外部への成果発表や協力関係の模索 を進めてきましたが、本格的な標準化へ向けて体制を整えることになりました。こ ちらはこれまで活動を率いてきた大野邦夫氏(ジャストシステム)を中心に日本規 格協会を軸に(W3Cとの連携も含め)活動を進めていきます。ユビキタスWeb部会は こうした動きと連携してユビキタスとXMLについて考えていこうとしています。  新リーダーとなった根岸氏は2005年から部会活動に参加しているそうです。同氏 は「もともと業務でドキュメント関係に携わっており、SGMLも経験しました。その 関係でXMLに興味があり、部会活動に参加するようになりました。XMLについては開 発者というよりはユーザーの立場ですが、(データ構造として)やわらかいXMLに 情報を格納し、状況に応じて表示を変更する仕組みが今後重要になると思います。 今後当部会では日本規格協会の標準化について考察や実用性の研究などを進めてい く予定です」と話しています。 ===================================== 【部会探訪:セキュリティ部会】 =====================================  ここしばらくセキュリティ部会はsPlatという合同プロジェクトがあるため、Web サービス実証部会と同日開催することが多くなっています。部会当日はまず2つに 分かれて部会を開き、最後に両者が合流してsPlatに議題を移しました。  別々に部会をしている時は、こぢんまりとしたテーブルの方がセキュリティ部会 です。セキュリティ部会はほかの部会と比べると小規模ではありますが、参加者が ほぼまんべんなく発言し濃密な議論となっています。  2月22日に開催した部会で話題となったものの1つにオフィス文書の署名がありま す。新しく登場したMicrosoft Officeではファイルの基本フォーマットがXMLベー スとなっているというのは周知の事実ですが、電子署名はどのような仕組みででき ているかメンバーで調査しました。データ全体はXML文書となっているので署名は XML Signatureをベースとしているものの、操作手順や仕様でMicrosoft Word特有 のものが加わっていることなどを確認しました。  また以前セキュリティ部会がWSS(WS-Security 2004)を翻訳しましたが、「い まどれだけ利用されているか」の調査が活動案として上っています。この調査から 利用するメリットが分かる事例が浮き彫りになるかもしれませんし、逆に不要なも のが分かれば消去法のように実践に必要な骨格が見えてくるかもしれないという理 由からです。  ほかにもいまWebサービス実証部会で盛り上がっているWebOSについて、メンバー から「セキュリティについて検討してはどうか」と提案がありました。その仕組み からどういう脆弱性があり、どう防御できるか、意見交換がなされました。  このようにセキュリティ部会ではDSS、PKI、WSIT、SMILからセキュリティに関す る話題が次々と出てきています。興味があればぜひ部会に顔を出してみてください。 @話題の用語:WSIT(Web Services Interoperability Technologies)−−−−−  Webサービスの相互運用性に関する技術。「Project Tango」とも呼ばれ、主に JavaプラットフォームとWCF(Windows Communication Foundation:Windowsの新し い通信基盤技術)の相互運用を可能とするもの。2007年2月12日にマイルストーン3 がリリースされたばかり。 ◆Project Tango https://wsit.dev.java.net/ 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するシステムを提案するといったストーリーです。Weekに向けてこれから本格的に 準備が進むことになりそうです。 ===================================== 【活動実績:2007年2月】 ===================================== ◆2月 5日(月):XMLDB勉強会(マーケティング系) ◆2月 7日(水):クロスメディア・パブリッシング部会 ◆2月 8日(木):理事会、運営委員会 ◆2月14日(水):内部統制勉強会 ◆2月15日(木):XMLDB勉強会(技術系) ◆2月16日(金):クロスメディア・パブリッシング部会 ◆2月19日(月):関西部会 ◆2月22日(木):Webサービス実証部会+セキュリティ部会 ◆2月22日(木):BI研部会+SOA部会 ◆3月 1日(木):Web 2.0部会 ◆3月 5日(月):ユビキタスWeb部会 ◆3月 8日(木):部会リーダー会、運営委員会 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆3月14日(水):内部統制勉強会(NTTデータ) ◆3月15日(木):BI研部会+SOA部会(JIEC) ◆3月19日(月):クロスメディア・パブリッシング部会(会場調整中) ◆3月19日(月):関西部会(日本ユニシス) ◆3月23日(金):Webサービス実証部会+セキュリティ部会(蝶理システム) ◆3月26日(月):ユビキタスWeb部会(ジャストシステム) ◆3月30日(金):Web 2.0部会(メタデータ)(仮) ◆4月12日(木):部会リーダー会、運営委員会(会場調整中) ◆4月:XMLDB勉強会(マーケティング系)(調整中) ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント] ◆2007年3月13日(火)  丸山先生レクチャーシリーズ in 東京 2006-2007 第5回 (特別協賛)  http://www.c-sq.com/modules/article/article121.html ◆2007年3月27日(火)  第60回デジタル・ドキュメント研究会 (協賛)  http://www.ipsj.or.jp/sig/dd/2007-03.htm ===================================== 【運営委員会から】 ===================================== ◆XMLコンソーシアム Weekの準備をしています  毎年恒例となるXMLコンソーシアム Weekの準備に取りかかりはじめたところです。 現時点では5月中旬をめどに約1週間の開催期間で調整しており、確定次第、案内を 差し上げますのでどうぞご期待ください。 ◆XMLDB勉強会成果発表はWeekにて行います  本欄にてXMLDB勉強会の成果発表会を3月に開催する準備をしていると述べました が当イベントはXMLコンソーシアムWeekで吸収することになりました。あしからず、 ご了承くださいますようお願い申し上げます。  なおXMLDB勉強会は2月で所定の活動期間終了を迎えましたが、活動継続への要望、 部会化への要望が強いことから、勉強会の第2フェーズとして5月一杯勉強会活動を 継続しながら部会化構想を練ることになりました。 ◆部会リーダーにインタビューいたします  本メルマガにて部会リーダーに部会活動やご自身とXMLコンソーシアムとのかか わりなどを順次語っていただこうと思っております。初回はちょうど体制を整えた ばかりのユビキタスWeb部会に登場していただきましたが、今後もご期待ください。 ◆メルマガの感想をお聞かせください  XMLコンソーシアムでは、皆さんへの広報手段としてメルマガをより一層活用し ていきたいと考えております。メルマガに関しまして、ご感想/ご要望等がござい ましたら、ぜひお寄せください。 ===================================== 【編集後記】 =====================================  数週間前から筆者が定期購読している雑誌がデジタル版の配信を始めました。雑 誌にはギフト券が綴じ込まれており、そのコードを入力してデータをダウンロード するとパソコンから同じ内容が確認できます。デジタル版だとただページジャンプ が簡単になるだけではなくインタビュー音声などがページに埋め込まれているなど デジタル版ならではの工夫が見られます。雑誌も新しい時代に向けて進化していく のかもしれませんね。 ===================================== 【このメールマガジンについて】 ===================================== なお、当メールマガジンはXMLコンソーシアム会員を対象に発行しております。 転送する場合は社内に限定するなど、ご配慮をお願いいたします。 次回以降の配信先の変更や追加、および要望はXMLコンソーシアム事務局まで ご連絡ください。 発行人:鶴保征城 編集人:加山恵美 XMLコンソーシアム:http://www.xmlconsortium.org/ 事務局宛てメール :mailto:xmlcons@fsi.co.jp 〒130-0022 東京都墨田区江東橋 2-19-7 富士ソフトビル Tel:03-5600-6205 / Fax:03-5600-6431 Copyright(C) 2007 The XML Consortium =====================================