===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス 2007年4月号(2007年4月10日発行) =====================================  今年は暖冬だったのに桜が開花するころには寒さが戻りすっかり花冷えとなって しまいましたね。先日神田川沿いの桜を観に行ったところ柵に地元の人による川柳 が飾ってありました。風刺や子どもの本音など、桜と合わせて楽しめました。 メールマガジンの配信先については末尾の案内をご覧ください。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆インタビュー:クロスメディア・パブリッシング部会・藤原隆弘氏(イースト) ◆部会探訪:内部統制勉強会 ◆部会探訪:SOA/BI研究部会 ◆活動実績(2007年3月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【インタビュー:クロスメディア・パブリッシング部会・藤原隆弘氏(イースト)】 =====================================  部会リーダーへのインタビュー2回目はクロスメディア・パブリッシング部会の 藤原隆弘氏(イースト株式会社)です。同氏はクロスメディアや印刷・出版業界 とのかかわりや部会発足までの経緯などを語ってくれました。  藤原氏の経歴をさかのぼると、源流は前職の時に始めたDTP(デスクトップ・パ ブリッシング)のアプリケーション開発となるそうです。ここから新聞や印刷業界 とのかかわりへと発展し、業務やXMLコンソーシアムの活動の両面において様々に 形を変えながら現在まで脈々と繋がった経歴を持っています。  まずは新聞業界の流れから。DTPアプリケーション以降、新聞社の写真データベ ース開発に携わりました。この写真とは一般的な画像形式のTIFFやJEPGとは違い、 新聞業界が用いる特殊なフォーマットでした。画像のデータに加え、撮影日時やタ イトルなどのメタデータが付加されています。この知識が後に日本新聞協会のXML 標準、NewsMLへと発展します。関連のプロジェクトに多数携わり、現在では国際新 聞電気通信評議会(IPTC)でNewsMLに関した分科会の副議長も務めています。  NewsMLに関しては本業だけではなく、XMLコンソーシアムでも関わりました。XML コンソーシアムは発足して間もない頃にNewsMLの実証実験を実施しましたが、この 時に藤原氏は説明および調整役で関わりました。  一方、出版・印刷業界系の流れもあります。こちらは技術的に言えば当初はテキ スト・画像とレイアウト、後にクロスメディアというキーワードへと発展するもの です。きっかけは最初のDTPアプリケーションで、ここから日本印刷技術協会 (JAGAT)ともかかわりを持つようになりました。ちなみに藤原氏はJAGATが実施し ているDTPエキスパート試験にも早々のうちに合格しています。  新聞や印刷業界、およびXMLに精通した藤原氏は過去にJAGATやXMLコンソーシア ムのセミナーなどでたびたび登壇しています。以前XMLコンソーシアムにはドキュ メント(・メタデータ)部会がありましたが、この流れで今年度からクロスメディ ア・パブリッシング部会が発足しました。これは部会活動にドキュメント関係の流 れがあったことに加え、XMLコンソーシアムの会員企業に出版・印刷関係が一定数 いることから要望が高かったためです。  「クロスメディア」とは「紙だけではいけない」と印刷業界が今後目指すべき方 向性を表しています。加えて藤原氏は日本印刷技術協会のクロスメディアエキスパ ート認証制度で問題作成に携わるだけではなく、今ではその検討委員も務めていま す。こうした背景が重なり部会名に「クロスメディア」を冠することになりました。  当初部会にはXMLコンソーシアム自体にも初参加というメンバーが多かったため、 藤原氏はリーダーとして部会参加とはただ情報入手するだけでなく情報提供や作業 協力を行う必要性があること、またその意義などを説くなどしてメンバーを率いて きました。今藤原氏は本業およびXMLコンソーシアムの活動が相互にうまく絡み合 い、多方面で活躍しています。 ===================================== 【部会探訪:内部統制勉強会】 =====================================  内部統制勉強会は「内部統制」や「日本版SOX法」など社会的な注目をうけ、今 年度から活動を開始した勉強会です。「内部統制に対しXMLはどのように活かせる か」という視点に立ち、活動を行っています。  これまでの勉強会の経緯を簡単に振り返ると、活動内容の模索から始まり、少し ずつ具体的な調査へと歩みを進んできています。まず初回は勉強会の趣旨説明に始 まり、技術的な解説としては金融庁が提示した内部統制の実施基準を中心に行いま した。これは日本版SOX法の実施基準草案で、内部統制を考える上では欠かせない ものです。  これを手がかりに「XMLをどう活用していくか」を考えていこうとしていますが、 内部統制とは奥が深く「つかみどころがない」という印象を抱えている人も少なく ないようです。  そうした状況においてまずできることとして「情報共有をしていこう」と、2回 目の勉強会では内部統制勉強会に何を期待するか意見交換を行いました。例えば 「内部統制によるネットワークやセキュリティに対する影響はどうか」、「要求分 析手法にXMLや内部統制をどう適用できるか」など、それぞれの疑問や関心事に対 する糸口を見つける場として期待されていることが浮かび上がってきました。  また2回目にはオラクルの内部統制に関する取り組み(CONTROL2006)や関連製品 の紹介を行いました。特にBPELに対応した機能部分などを中心に説明してもらうな ど、XMLとの関連性を重視した内容でした。  3回目にはXBRL(財務報告のXML標準)を中心にタクソノミー(関連が階層構造で 表される分類)を中心に紹介や研究を行いました。またゴール分析と関連してCOSO フレームワークも題材にしました。COSOについてはより深く研究することとなり、 4回目の勉強会では参考文献(注)を中心に2チームで手分けして内容の理解に努め るなどしています。 (注)参考文献 「内部統制の統合的枠組み 理論編」  トレッドウェイ委員会組織委員会 (著)、白桃書房 @話題の用語:COSOフレームワーク −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  米国のトレッドウェイ委員会組織委員会(The Committee of Sponsoring Organization of the Treadway Commission)が公表した内部統制のフレームワー ク。委員会の頭文字を取り、COSOフレームワークと呼ぶ。近年では事実上の世界標 準として名が知られている。 ◆COSO http://www.coso.org/ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ===================================== 【部会探訪:SOA/BI研究部会】 =====================================  SOA/BI研究部会はその部会名通り、活動のテーマや進め方もイノベーションを 体現しているようです。議案の整理にマインドマップのツールを用い、高度な新技 術やその動向をいち早く収集し部会内で共有しています。  部会活動の場は月例部会に加え、テーマごとのWGで進行しています。主にメーリ ングリストやネットの共有フォルダなどオンラインで情報交換を行いますが、適宜 会合を持つこともあります。後に月例部会でWGごとに進ちょくを報告し、部会全体 で情報を共有しています。  WGからの報告ではメンバーから疑問点だけではなく忌憚のない要望が出ることも 多々あります。例えばクライアント動向WGからリッチクライアントソリューション について報告があった時には、SOAとの関係性や課題を提示してはどうかといった 提案がなされました。しかし実際に調査する立場からは「SOAは概念的なもので機 能・構造・事例が特定しがたいからSOAとの関連性を検討・分析するのは難しい」 という意見もありました。そこでどうしたらいいか再び皆で知恵を絞ります。  こうしたやりとりからは、実に難しいテーマに取り組んでいることが分かります。 しかし多くのIT関係者が「実のところどうなのか」と知りたいテーマでもあります。 難易度の高い高度なテーマにメンバーがいろいろと知恵を絞る経緯は困難の連続の ようですが、活動を通じて学ぶことは多そうです。  ほかにも月例部会では特別セッションとして講師を招いて部会に関連するテーマ を解説してもらう機会を設けることもあります。2月の定例部会では日本IBMから講 師を招き「Lotusクライアント戦略と技術概説」を解説してもらいました。セッショ ン後には次世代コラボレーション環境とされる「ワークプレース」について、利用 場面や位置づけなど突っ込んだ質問が相次ぎました。ほかにもアプリケーション開 発に関する課題や意見なども出て、有意義なセッションとなったようです。  3月に入るとメンバーはWeekを見据えて活動を調整するようになってきました。 またどのテーマをどのくらいの時間配分で説明すればいいか、どんな立場の人を想 定してどこまで説明すればいいか、難しい取捨選択に頭を悩ませているところです。 ===================================== 【活動実績:2007年3月】 ===================================== ◆3月 1日(木):Web 2.0部会 ◆3月 5日(月):ユビキタスWeb部会 ◆3月 8日(木):部会リーダー会、運営委員会 ◆3月14日(水):内部統制勉強会 ◆3月15日(木):SOA/BI研究部会 ◆3月19日(月):クロスメディア・パブリッシング部会 ◆3月23日(金):関西部会 ◆3月23日(金):Webサービス実証部会+セキュリティ部会 ◆3月26日(月):ユビキタスWeb部会 ◆3月30日(金):Web 2.0部会 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆4月10日(火):Web 2.0部会(メタデータ) ◆4月11日(水):内部統制勉強会(NTTデータ) ◆4月12日(木):部会リーダー会、運営委員会(富士ソフト) ◆4月18日(水):クロスメディア・パブリッシング部会(会場調整中) ◆4月19日(木):XMLDB勉強会(マーケティング系) ◆4月19日(木):SOA/BI研究部会(日本ユニシス) ◆4月19日(木):ユビキタスWeb部会(内田洋行) ◆4月20日(金):Webサービス実証部会+セキュリティ部会(蝶理情報システム) ◆4月23日(月):関西部会(日本ユニシス) ◆4月24日(火):XMLDB勉強会(技術系) ◆5月10日(木):部会リーダー会、運営委員会(日本ユニシス) ◆5月14日〜5月22日:XMLコンソーシアムWeek ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント]  特にありません。 ===================================== 【運営委員会から】 ===================================== ◆アンケートの集計結果を公開しています  昨年12月に実施した「XMLコンソーシアム アンケート」の集計が終わりました ので、Webサイトに公開しております。お忙しいところ、ご協力賜り、誠にありが とうございました。心より御礼申し上げます。  http://www.xmlconsortium.org/member/open/data/070403-enq.pdf ◆XMLコンソーシアム Weekは5月14日から5月22日、総会は6月8日で調整中です  毎年恒例となるXMLコンソーシアム Weekと総会の準備を着々と進めております。 日程はWeekが5月14日から22日までの間、総会が6月8日で調整しており、確定次第、 案内を差し上げます。どうぞご期待ください。 ◆メルマガの感想をお聞かせください  XMLコンソーシアムでは、皆さんへの広報手段としてメルマガをより一層活用し ていきたいと考えております。メルマガに関しまして、ご感想/ご要望等がござい ましたら、ぜひお寄せください。 ===================================== 【編集後記】 =====================================  XMLコンソーシアムでいろいろな方々からお話を聞く機会がありますが、特に活 動で中心的な役割を担っている方々からの経験談は印象深いものが多いです。XML やXMLにつながる業務または普及啓発のための試みなど、いつも尊敬しきりです。 ===================================== 【このメールマガジンについて】 ===================================== なお、当メールマガジンはXMLコンソーシアム会員を対象に発行しております。 転送する場合は社内に限定するなど、ご配慮をお願いいたします。 次回以降の配信先の変更や追加、および要望はXMLコンソーシアム事務局まで ご連絡ください。 発行人:鶴保征城 編集人:加山恵美 XMLコンソーシアム:http://www.xmlconsortium.org/ 事務局宛てメール :mailto:xmlcons@fsi.co.jp 〒130-0022 東京都墨田区江東橋 2-19-7 富士ソフトビル Tel:03-5600-6205 / Fax:03-5600-6431 Copyright(C) 2007 The XML Consortium =====================================