===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス 2007年10月号(2007年10月10日発行) =====================================  ようやく秋らしい気候となった……と思いきや、カレンダーを見るともう10月。 今年の夏は実に長かったですね。最近では冬服が気になります。 メールマガジンの配信先については末尾の案内をご覧ください。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆イベント:初心者向け入門セミナー(10月3日) ◆インタビュー:BI研究部会・牧野友紀氏(日本ユニシス) ◆部会探訪:Web2.0部会 ◆活動実績(2007年9月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【イベント:初心者向け入門セミナー(10月3日)】 =====================================  10月3日に「初心者向け入門セミナー」を開催いたしました。会場は大入りで、 XMLコンソーシアムのイベントに初めて参加する人も多かったようです。今回のイ ベントがXMLに関する何かのきっかけになったかもしれません。  どのセッションも重要で奥が深いテーマを掲げており、それを短時間で基本から 応用や実践、加えて最新動向までを包括的に解説しました。実に濃密で有意義な入 門セミナーになったのではないでしょうか。 ○XML〜SOA〜Web2.0 技術俯瞰  講師:エバンジェリスト 小林茂氏(日本ユニシス)  とても広範なテーマです。XML、SOA、Web2.0。これらはXMLという技術で奥深い ところでつながっていますが、着目された時代や分野などで違いがあります。 それゆえに個別の専門家はいても、全ての関連性を把握できる専門家は希少な 存在ではないでしょうか。技術的にも時代的にもこれほどまで広い範囲を俯瞰し、 その関連性を具体的に示した今回のセッションは「いまXMLで知るべき全て」が 凝縮されていました。 ○SOA "再"入門  講師:SOA部会リーダー 日力俊彦氏(日本アイ・ビー・エム)  タイトルにあえて「"再"」とつけました。一般に「SOA」という用語や概念は それなりに浸透しているようではありますが、まだどこか漠然としています。メディ アでは「概念を普及する段階は終わり、これからは実践へ」という記述も見かけま すが、現場はまだ「まずは具体的に何をしたらいいか分からない」と戸惑いの声も 依然としてあるようです。改めてSOAとは何なのかを振り返りました。 ○実感!XMLDB入門  講師:XMLDB部会リーダー 加藤哲義氏(ジャストシステム)  近年XMLDBが再注目されてきています。しかし一口にXMLDBといっても、実は XMLDB各社ごとに「XMLをどう変換してデータベースに蓄積するか」で研究を重ねて おり、この手法に各社の違いが見られます。XMLDB製品はハイブリッド型とネイティ ブ型、またネイティブ型はDBMS型とファイル・インデキシング型に分けることがで きますが、まだ万能な王者はいないのが実情でしょう。XMLDBはどんな分野で活用 すれば特性を有効に活かすことができるのか、事例も合わせて説明しました。 ◆初心者向け入門セミナー 概要  http://www.xmlconsortium.org/seminar07/071003/071003-prog.html ===================================== 【インタビュー:BI研究部会・牧野友紀氏(日本ユニシス)】 =====================================  今回はBI(ビジネス・イノベーション)研究部会リーダーの牧野友紀氏(日本ユ ニシス)にお話を聞きました。どの部会リーダーもXMLコンソーシアム活動に長く 携わっていますが、牧野氏は最も早いうちから活動を始めていたメンバーの1人で す。XMLやXMLコンソーシアムの変遷とともに、献身的かつ臨機応変に活動を続けて きています。  XMLコンソーシアムには前進となる団体があります。その1つがJavaコンソーシア ムです。Javaコンソーシアム内にはXML研究部会があり、ここに牧野氏はじめXMLコ ンソーシアムを創設する時のメンバーがいて、研究調査活動をしていました。  当時はまだXMLがW3Cで勧告になったばかりで、XMLの実践は手探り状態でした。 JavaでXMLを使うために「パーサーはどの会社の製品がいいか」「SAXやDOMはどう やって使うのか」ということを牧野氏は仲間と一緒に研究していました。一方社内 の業務では分散コンポーネントをXMLを使って緩やかに組み合わせる製品の研究開 発などを行っていました。後から登場するBPELのごく初期のものと言えるかもしれ ません。Webサービスもまだ無い当時は市場が熟しておらず、それが世に出るまで には至らなかったそうです。  XMLコンソーシアムが創立すると牧野氏は基盤技術部会のリーダーとなり、ここ からXMLコンソーシアム活動を始めました。後に部会の編成変更などを経て、現在 のBI研究部会(とSOA部会)を率いることになったのは2004年度からです。  この時は「SOA、Webサービス、XMLの普及には、従来の技術中心の視点だけでは なく、ビジネスの視点から有効性を明示する必要がある」という認識がXMLコンソ ーシアムで強くなったころで、BI研究部会はそれを体現した姿といえます。  現在、日本ユニシスにおいて牧野氏は、製品開発に向けた研究開発を行っていま す。開発者にとって意義のあるSOAやWebサービスが普及した後に、利用者主体にサ ービスが扱えるソフトウェアの実現を目指しているそうです。XMLコンソーシアム 活動をすることのメリットややりがいについて訊くと、牧野氏はこう話しています。  「他のリーダーも言及しているように、やはり違う立場の意見はとても参考にな り、いい刺激になっています。現状の技術動向から自分なりに将来の仮説を抱くこ とがありますが、それをメンバーと話し合うことで自分の仮説を検証することがで きます。またXMLやSOAといったエッジの技術を研究する時、社内の人間だけでは知 識は限られてしまいますが、XMLコンソーシアムでは同じ関心を持つ技術者が多く 集まり、技術的な意見交換や共同作業によるユーザーのニーズ分析ができとても実 践的であり魅力となっています」  メンバーとの交流でいうと牧野氏は単に知的好奇心や情報交換のためだけではな く、個性あるメンバーとの交流を心から楽しんでいます。そしていま牧野氏はXML コンソーシアムの仲間とビジネスの視点で、利用者が“使用する”立場から真の意 味で“利用する”立場へと変わる情報システムの構想を練っているそうです。 ===================================== 【部会探訪:Web2.0部会(9月28日)】 =====================================  部会となり2年目に突入したWeb2.0部会は今「マッシュアップ」を中心に活動し ています。振り返ると昨年初めてWeb2.0勉強会を開催した時には会場を埋め尽くす ほどの聴衆が集まりました。当時はまだWeb2.0という言葉自体が珍しく、聴衆の多 くはマーケティング的な調査を目的としていた人が多かったようです。  そこから1年半ほど過ぎ、Web2.0の用語や概念は広く浸透し、Web2.0の象徴的な 技術となるマッシュアップやAjaxを実践するサイトも増えてきました。部品となる WebAPIも増えました。そうした背景をうけてか、今Web2.0部会でアクティブなメン バーにはマッシュアップの専門家「マッシュアッパー」が多くいます。  リーダーの野村氏(メタデータ)は「最近では部会そのものがマッシュアップで す。メンバーが毎回様々な技術情報やテーマを持ち寄り、それをマッシュアップの ように組み合わせて新たな価値を生んでいます」と話しています。  最近ではより高度なマッシュアップ技術と実践、加えて今後の動向に注目してい ます。特に今年に入るころからWebAPIを効率よく検索するサイトやその方法を研究 しています。公開されているWebAPIをRSSなどで収集し特徴やライセンスなどで比較 するツールを作成して披露する人がいたり、新しいマッシュアップ支援環境を紹介 する人などがいて、そこからまた新しいアイデアなどが生まれています。  また今年もマッシュアップ作品を表彰する「Mash up Award 3rd」が開催され、 その応募作品を研究することも行いました。回を重ねるごとに増加と高度化する応 募作品はまさにマッシュアップ技術の最先端です。メンバーはここから自分の知識 やスキルをブラッシュアップしています。  部会では他にもSaaSやフィードなど、今後動向が注目されるトレンドや技術要素 に着目し研究を進めています。 ◆Mash up Award 3rd  http://jp.sun.com/mashupaward/ ===================================== 【活動実績:2007年9月】 ===================================== ◆9月12日(水):クロスメディア・パブリッシング部会 ◆9月13日(木):部会リーダー会、運営委員会 ◆9月20日(木):XMLDB部会 ◆9月21日(金):SOA部会+BI研究部会 ◆9月26日(水):セキュリティ部会 ◆9月26日(水):Webサービス実証部会 ◆9月27日(木):XMLマスター勉強会 ◆9月28日(金):Web2.0部会 ◆10月3日(水):初心者向け入門セミナー ◆10月3日(水):内部統制勉強会 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆10月10日(水):クロスメディア・パブリッシング部会(会場調整中) ◆10月18日(木):部会リーダー会、運営委員会(日立ソフト) ◆10月22日(月):Webサービス実証部会+セキュリティ部会(シスコシステムズ) ◆10月25日(木):SOA部会+BI研究部会(会場調整中) ◆10月25日(木):XMLDB部会(電子学園日本電子専門学校) ◆10月26日(金):Web2.0部会 ◆11月28日(水):XMLマスター勉強会 プロフェッショナル直前対策セミナー ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント] ◆2007年10月16日(火)  ITストラテジーサミット(後援)  http://www.itcomp.jp/itss/index2.html ◆2007年10月31日(水)  JustSystems xfy Enterprise Solution Forum 2007(後援)  http://www.xfy.com/jp/xfyforum2007/ ◆2007年11月15日(木)〜16日(金)  Web 2.0 EXPO Tokyo(後援)  http://www.cmptech.jp/web2expo/ ◆2007年11月22日(木)  デジタルドキュメント・シンポジウム2007(協賛)  http://sigdd.itakura.toyo.ac.jp/ddsympo-07.htm ◆2008年1月29日(火)  ソフトウェアジャパン 2008 (協賛)  http://www.ipsj.or.jp/10jigyo/forum/software-j2008/ ===================================== 【運営委員会から】 ===================================== ◆11月28日にXMLマスター勉強会プロフェッショナル試験対策を予定しています  先日はXMLマスター勉強会ベーシック試験対策を実施しましたが、これに続けて プロフェッショナル試験対策を11月28日に実施する予定で準備を進めております。 プロフェッショナル試験は12月から新しい試験が開始されることもあり、本番に向 けて準備するいい機会となるかと思います。  詳細は近日中に発行するご案内状を参照下さい。 ◆メルマガの感想をお聞かせください  XMLコンソーシアムでは、皆さんへの広報手段としてメルマガをより一層活用し ていきたいと考えております。メルマガに関しまして、ご感想/ご要望等がござい ましたら、ぜひお寄せください。 ===================================== 【編集後記】 =====================================  10月に入り、いくつかの有名サイトがリニューアルしました。トップページを淡 い色調に変えてインターフェースを一新するサイト、タイアップ先を変更するサイ トなど、こうしたことからもWebサイトのトレンドが垣間見えるようです。一方、 各部会では「12月のDayに何をどのくらい発表しようか」という相談も聞こえるよ うになってきました。楽しみですね。 ===================================== 【このメールマガジンについて】 ===================================== なお、当メールマガジンはXMLコンソーシアム会員を対象に発行しております。 転送する場合は社内に限定するなど、ご配慮をお願いいたします。 次回以降の配信先の変更や追加、および要望はXMLコンソーシアム事務局まで ご連絡ください。 発行人:鶴保征城 編集人:加山恵美 XMLコンソーシアム:http://www.xmlconsortium.org/ 事務局宛てメール :mailto:xmlcons@fsi.co.jp 〒130-0022 東京都墨田区江東橋 2-19-7 富士ソフトビル Tel:03-5600-6205 / Fax:03-5600-6431 Copyright(C) 2007 The XML Consortium =====================================