===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス 2008年4月号(2008年4月10日発行) =====================================  先日桜の名所を訪れたのですが、あいにくの雨と寒さで桜を楽しめませんでし た。しかし数日後、晴れて暖かい午後に桜を見ると今度はとても幸せな気分にな りました。花見の充実感は気候の影響も受けることを知りました。 メールマガジンの配信先については末尾の案内をご覧ください。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆イベント:『XML Today & Tomorrow』の反響・資料公開 ◆トピック:XMLの利用実態の俯瞰図作成 ◆トピック:XMLコンソーシアムからXML普及への提案 ◆部会探訪:BI研・SOA部会(3月27日) ◆活動実績(2008年3月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【イベント:『XML Today & Tomorrow』の反響・資料公開】 =====================================  3月5日に開催したXML1.0勧告10周年記念イベント『XML Today & Tomorrow』は 大盛況で成功裏に終わりました。いくつかのIT系メディアでもイベントの様子が 報じられました。以下にURLを記します。 ◆COMPUTERWORLD.jp  生誕10周年を迎えた「XML」――その普及・活用の進展度を知る  http://www.computerworld.jp/news/sw/100849.html ◆EnterpriseZine  XML1.0勧告10周年記念イベント「XML Today & Tomorrow」が開催  http://enterprisezine.jp/article/detail/307 ◆ITmedia エンタープライズ  「XML 1.0勧告から10年──トラベル、食品、気象情報……つながる世界が拡大」  http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0802/27/news011.html  また当日のアジェンダは以下のページにて公開しております。プレゼン資料の ダウンロードには会員のIDとパスワードが必要となります。 ◆XML1.0勧告10周年記念イベント『XML Today & Tomorrow』資料(会員限定)  http://www.xmlconsortium.org/seminar07/080305/080305-prog.html ===================================== 【トピック:XMLの利用実態の俯瞰図作成】 =====================================  2008年2月より、XMLの利用実態調査を目的にXMLコンソーシアム会員を対象とし たアンケートとヒヤリングを実施してまいりました。  お忙しい中、ご協力くださった皆様には厚くお礼申し上げます。  本調査結果は、XMLの利用状況を業種/業務の視点、サービスコンポーネントの 視点、技術の視点といった3つの視点から階層化/一望できるXML利用実態俯瞰図 として集大成を行う予定です。  現時点ではまだ集計中ではございますが、3月5日の『XML Today & Tomorrow』 にて一部を中間結果として報告させていただきました。  まずXML技術を活用したシステムの経験ですが、大多数が「利用した経験がある」 または「開発に携わった経験がある」と回答しており、会員の多くが何らかの形 でXML技術を活用したシステムに触れた経験をお持ちです。次に会員が利用または 開発したシステム(以後、「対象システム」)について訊きました。 ○業種や業界に特化しているか?  業種や業界に特化しているかどうかという問いには「特化している」が54%、 「特化しない」が46%となり、特化している方がやや上回るものの、およそ半々 という結果でした。さらにこの「特化している」の対象となる業界や業種を見る と、製造業と情報通信業が際立っておりました。 ○社内のみで利用か、複数企業で利用か?  利用企業数では「社内でのみ利用」は33%、「複数企業で利用」が53%でした。 半数以上が企業をまたいで利用している、つまり社外と連携するケースが多いこ とが分かります。 ○利用されているXML技術は?  利用されているXML技術を挙げてもらうと、XSLT(32)が突出して高く、次いで XHTML(19)、WSDL(18)、SOAP(16)、XQuery(12)、XPath(10)と並びまし た。Webサイトのページ表示やWebサービスに関連した分野の技術が多く使われて います。(かっこ内は回答数) ○XML技術を採用した理由  XML技術を採用した理由には「柔軟に変更可能なデータフォーマット(61)」と、 XMLの柔軟性に着目した回答がトップとなりました。一方、少し及ばずながらも 「標準化されたデータフォーマット(54)」と共通性を評価する声も高い回答数 がありました。ほかの選択肢に比べてこの2つが際立って高く、XML採用の理由に はデータの性質があるようです。(かっこ内は回答数)  今後も継続的にアンケートやヒヤリングを実施しXML利用実態俯瞰図を完成させ ていく予定です。引き続きご協力を御願いします。 ===================================== 【トピック:XMLコンソーシアムからXML普及への提案】 =====================================  3月5日に開催したXML1.0勧告10周年記念イベント『XML Today & Tomorrow』で は、XMLコンソーシアムから「XMLトピック解説−XML普及への提案−」をいたしま した。各部会やプロジェクトがこれまでの活動を通じて得た知識や経験を振り返 り、またXMLの利用や活用を促進するためのヒントを提案いたしました。 ○Web 2.0部会  圧倒的な認知度のある「Web 2.0」ですが、XMLコンソーシアム会員アンケート にて詳しく調査すると、そのイメージ、適用したい対象領域、有用な側面、導入 のリスクを見ると多種多様であることが分かります。WebやXMLが変えたデータの 流れもかんがみ、情報集約としてのマッシュアップとソーシャルに着目する価値 は大いにありそうです。 ○XMLDB部会  大容量データに対する主要なデータベース機能を挙げると、検索の早さ、挿入 更新(トランザクション)の早さ、データ構造の自由度(スキーマレス)の3つが あります。リレーショナルデータベースは検索と更新の早さを得意としていまし たが、近年では自由度を高めXMLDBが得意とする領域に攻め込んできています。 XMLDBではアプリケーションレベルで自由度を実感できるような、事例とユーザー インターフェースが必要となるでしょう。 ○Webサービス実証部会  「Webサービス」が示すものの変遷を見ると、当初は漠然とWebサイトで提供さ れるサービス全体を指していましたが、後にSOAP/WSDL/UDDIを使い提供される機 能となり、近年ではWebAPIとして機能提供されるサービスへと移っています。通 信規約はSOAPが代表格でしたが後にRESTやJSONも台頭し、またスクレイピングに よりWebサイトをWebAPI化という手法も出て、今やWebサービスはカオスのように 広がってきています。そうした中で今後はWebサービスの基盤をWebOSが担うこと になるかもしれません。今後の動向に注目です。 ○XMLDB部会+Web 2.0部会+Webサービス実証部会  上記3部会では「フューチャWebサイト構想プロジェクト」として、次世代Webサ イトの将来像の提案につなげられるプロジェクトを進めています。さまざまな形 式のデータを蓄積した一般企業のWebサイトが、XMLDB・Webサービス・Web2.0の技 術を融合してサイトをリニューアルする時の可能性を実証します。構成的には、 モデル(データ格納)・コントロール(システム制御)・ビュー(表示)という MVC 3層モデルによって、利用者ニーズの変化に柔軟に対応できるシステム構成と 付加価値を提供できるシステムモデルを検討しています。今後プロジェクトが発 表する実証成果にご期待ください。 ○SOA部会  SOAは「環境の変化に柔軟に対応するシステムのアーキテクチャ」であり、その 狙いにはビジネスプロセス(業務間連携)の改善やシステム全体の最適化がよく 挙げられます。しかしその柔軟性を考えると、直接便益を受けるのは開発者とな ります。またプロセス中心で業務効率化を進めると情報中心の知的生産性向上が 期待できます。これは現場の知的生産性の向上につながり、今後のSOAの狙いと言 えます。 @話題の用語:JSON(JavaScript Object Notation)−−−−−−−−−−−−−  JavaScript(ECMA-262 標準第3版準拠)のオブジェクト表記法をベースとした、 データ記述言語。軽量で扱いやすく、Ajaxの分野で利用が広がっている。2006年9 月にはRFC 4627となった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ===================================== 【部会探訪:BI研・SOA部会(3月27日)】 =====================================  3月ともなると、どの部会でもXMLコンソーシアムWeekを視野に活動の最終調整 段階へと入ります。XMLコンソーシアムWeekは6月上旬を予定しているので、部会 メンバーからすれば月例部会で顔を合わせる機会はあと残り2回です。貴重な時間 を有効に使うべく、やるべき作業内容を具体的に列挙し、スケジュールを引いて います。  BI研究部会・SOA部会の3月の定例部会がまさにそうでした。いつもならメンバ ー全員で議論することが多いのですが、今回は3つのWG(ワーキンググループ)に 分かれ詰めの作業に注力していました。  まず1つめはSaaS調査研究WG。その名の通り、近年注目されている「SaaS」がテ ーマです。最近では新聞でも「サース」と目にするようになりました。知名度は 高まりましたが、まだ漠然としたところもあります。そこで「SaaSはビジネス全 般に波及するモデルになるか」、「ASPとの違いは何か」など、SaaSの本質に迫り ます。加えて、ビジネス的な課題やモデル、またそこで使われる技術についても 研究しています。  SOAのクライアントWGでは、焦点と具体性が悩みどころでした。企業のオフィス ワーカーが使うクライアントの周辺技術が着実に進歩を遂げているのは誰もが認 める事実です。しかし何かにテーマを絞らないとメッセージ性が薄れてしまうと いう意見があり、何に焦点を当てるか、その中で説得力を増すために具体的な要 素技術をどこまで挙げるか、そこが発表前の最終的な課題となりそうです。  残るSOAのサービス設計WGでは、発表資料をどう組み立てるかを意見交換したり、 部会内レビューのスケジュールを調整するなどしていました。このWGに限らず、 BI研究部会およびSOA部会のメンバーは1年時間をかけて研究や議論を続けてきた ため、頭は担当分野の知識や理解で満たされています。今度はそれをうまく整理 して表現するのが課題となります。  技術やトレンドを追求することと、その研究成果を一般の聴衆に分かりやすい ように要点を抽出して表現すること、これら2つは対照的ですがXMLコンソーシア ムでは表裏一体でもあります。1人ひとり発表に向けて最後の一踏ん張りをしてい る様子が伝わってきます。 ===================================== 【活動実績:2008年3月】 ===================================== ◆3月 3日(月):XMLDB部会 ◆3月 5日(水):『XML Today & Tomorrow』  http://www.xmlconsortium.org/seminar07/080305/080305-prog.html ◆3月 5日(水):内部統制勉強会 ◆3月12日(水):クロスメディア・パブリッシング部会 ◆3月13日(木):部会リーダーミーティング、運営委員会 ◆3月24日(月):関西部会 ◆3月27日(木):BI研+SOA部会 ◆3月27日(木):セキュリティ部会+Webサービス実証部会 ◆3月28日(金):Web2.0部会 ◆4月 2日(水):内部統制勉強会 ◆4月 9日(水):クロスメディア・パブリッシング部会 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆4月10日(木):部会リーダーミーティング、運営委員会(NTTデータ) ◆4月15日(火):XMLDB部会(ジャストシステム) ◆4月17日(木):BI研+SOA部会(会場調整中) ◆4月17日または18日:Web 2.0部会(調整中) ◆4月25日(金):Webサービス実証部会(アドソル日進) ◆4月25日(金):セキュリティ部会(アドソル日進) ◆5月23日(金):XMLコンソーシアム 総会 ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント] ◆4月18日(金):渋谷テクニカルナイト(後援)  http://www-06.ibm.com/jp/software/swcoc/events/events.html#shibuya ◆6月9日(月)〜13日(金):Interop Tokyo 2008(後援)  http://www.interop.jp/ ===================================== 【運営委員会から】 ===================================== ◆『XML Today & Tomorrow』の資料を公開しました  3月5日に開催した『XML Today & Tomorrow』に大勢の方がつめかけてくださり、 誠にありがとうございます。当日使用されたプレゼンテーションは以下のURLにて 会員限定にて公開しております。  http://www.xmlconsortium.org/seminar07/080305/080305-prog.html ◆アンケートのご協力、ありがとうございました  2008年2月にXMLコンソーシアム会員を対象としてXML利用実態俯瞰図のためのア ンケートを実施いたしました。お忙しいなか、アンケートにご協力いただき、誠 にありがとうございました。アンケート結果は『XML Today & Tomorrow』にて、 中間発表をさせていただきましたが、追って詳しい結果を公表いたします。 ◆総会とWeekの準備が進んでいます  毎年恒例となるXMLコンソーシアム総会とWeekの日程が決まりつつあります。 総会は5月23日、Weekは6月2日から始まる週に開催することがほぼ確定しています。 アジェンダが確定いたしましたらメールでお知らせいたします。 ◆メルマガの感想をお聞かせください  XMLコンソーシアムでは、皆さんへの広報手段としてメルマガをより一層活用し ていきたいと考えております。メルマガに関しまして、ご感想/ご要望等がござい ましたら、ぜひお寄せください。 ===================================== 【編集後記】 =====================================  金融庁の電子開示システム「EDINET」は3月から新バージョンの稼働が始まり、 4月からXBRL形式での財務諸表の提出も始まるそうです。言うまでもなく、XBRLは XMLをベースとした財務情報の標準です。これが後押しとなり、今後ますますXBRL はじめXMLの重要性が増してくるように思えます。 ===================================== 【このメールマガジンについて】 ===================================== なお、当メールマガジンはXMLコンソーシアム会員を対象に発行しております。 転送する場合は社内に限定するなど、ご配慮をお願いいたします。 次回以降の配信先の変更や追加、および要望はXMLコンソーシアム事務局まで ご連絡ください。 発行人:鶴保征城 編集人:加山恵美 XMLコンソーシアム:http://www.xmlconsortium.org/ 事務局宛てメール :mailto:xmlcons@fsi.co.jp 〒130-0022 東京都墨田区江東橋 2-19-7 富士ソフトビル Tel:03-5600-6205 / Fax:03-5600-6431 Copyright(C) 2008 The XML Consortium =====================================