===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス 2008年9月号(2008年9月10日発行) =====================================  XMLコンソーシアムの年度が総会で切り替わり、ここ数ヶ月はどの部会も新年度 の活動内容をあれこれと模索しているところのようです。まずはメンバーに関心 の高い、新しい技術に着目し検討が始まっています。楽しみですね。  メールマガジンの配信先については末尾の案内をご覧ください。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆部会探訪:Web2.0部会 ◆部会探訪:XMLDB部会 ◆紹介XMLコンソーシアムのアライアンス・パートナーについて ◆活動実績(2008年8月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【部会探訪】Web2.0部会 =====================================  「Web2.0」という用語が新しいインターネット技術や現象の象徴であるように、 Web2.0部会では毎回最新のテーマを研究しています。特に最新の製品紹介となる 時間帯はいずれも提供元から直々に解説してもらえるので、部会参加者に貴重な 情報収集の機会となっています。  7月18日の定例部会ではIBM Mashup CenterやSerena Business Mashupなど、エ ンタープライズにおけるマッシュアップに役立つツールの紹介がありました。最 近のマッシュアップは企業システムへも活用範囲を広げ、高度化していることが わかります。  8月21日の定例部会では注目の最新のブラウザ、Opera 9.5とInternet Explorer 8の紹介がありました。Opera 9.5は6月12日に正式リリースされたばかりであり、 Internet Explorer 8は8月28日にベータ2がリリースされる直前でしたのでベータ 1をベースにした概要でしたが、「ほやほや」の話題が多く聞けました。  OperaはW3Cで標準策定に関与している人が多いせいか、Web標準準拠が最も進ん でいるブラウザかもしれません。今年からW3Cで本格的に活動が始まったばかりで、 まだ仕様としては草案段階のHTML 5の機能も一部盛り込まれているようです。  Internet Explorer 8は現段階ではまだベータ2ですが、Web標準準拠に重点を置 いているところが特徴です。IE 8ではWebSlicesなどの新機能が登場するだけでは なく、従来との互換性を保つために複数のレンダリングモードを用意する予定だ そうです。  今年度の部会活動については、Web技術の動向を中心に提案や準備が進んでいる ところです。キーワードとなるのが、「セマンティック」、「HTML 5」、「クラ イアント環境」などです。クライアント環境についてはSOA部会にて似たテーマが 研究されてきたので、8月の定例部会ではSOA部会メンバーも顔を出してコラボレ ーションが可能かなど相談しました。  もう1つ。昨年度、同部会はWebサービス実証部会およびXMLDB部会と3部会合同 の「フューチャWebサイト構想PJ」にて、ユーザーインターフェース部分を開発し ました。当時の資料にはプレゼン資料がありますが、開発したアプリケーション こそ重要であり、そのデモを動画で残そうということになりました。現在、部会 のSNSにてその動画が公開されたところです。  次回はマイクロフォーマット徹底理解をテーマに9月26日に開催する予定です。 ===================================== 【部会探訪】XMLDB部会 =====================================  XMLDB部会は9月2日に今年度3回目となる定例部会を開催しました。  新年度から当部会では、XMLDBに関わる数種のテーマを洗い出し、テーマ毎に幹 事を選定し、その人がメンバーによるディスカッションをリードして行きます。 部会1回あたり、2〜3のテーマをこなしていきながら、必要に応じて継続的なプロ ジェクト化にしたり、成果物に落としたりしていきます。  まず着手したのは、6月のXMLコンソーシアムWeekの振り返りと、残課題の深掘 りです。Weekで行った「XMLDBベンダー・パネルディスカッション」では観客から の質問も受け付けましたが、時間切れで回答できませんでした。現在、未回答の 14項目について、すべてパネリストから回答をまとめたドキュメントを作成して います。同じ質問でもパネリスト毎に回答が異なり、その差違にXMLDB、各製品の 個性と多様性が感じられ、とても興味深いものとなっています。近々、公開を予 定しています。  また部会ではXMLDBに関係の深い「XQuery 1.1」の研究を進めています。1.1は まだドラフト段階ですが、W3Cに公開されている文書をもとに、メンバーがWindow ClausesやGroup BY Clauseなどの新機能を中心にポイントを紹介しました。一通 り紹介が終わったので、続編は今後の動向を見極めた上で実施ということになり そうです。メンバーの間では「Update Facility」に関する機能に注目が集まって いたようでした。  今回、メンバーから新たなプロジェクトの提案がありました。背景として、近 年では規模の大きいまたは複雑なXML Schemaを扱うシステムが増えてきています が、XML Schemaの取り扱いや管理機能、UIはXMLDB製品毎に差違の大きい部分です。 そこに共通の方式ができると有効かもしれない、ということで「XML Schemaを管 理するUIを研究しよう」とメンバーが呼びかけ、現在プロジェクト参加者を募っ ています。  9月の定例部会の最後にはWeekでの3部会合同プロジェクトに関するディスカッ ションを行いました。同プロジェクトでは、XMLDB部会はXMLコンソーシアムが蓄 積した何種類かのドキュメントをXML化し、XMLDBに格納する部分を担当しました。 その経験を踏まえ、改めてXMLスキーマについての意見交換を行いました。  ディスカッションでは「既存スキーマと独自スキーマ、どちらがより適切か?」、 「複数の種類の文書が混在する中で、すべて同じスキーマにするべきか?」、 「そもそもスキーマは必要か?」といった問いが投げかけられました。ただ「答 えは1つではない」のは皆承知しており、それぞれの経験や立場、価値観も含めて さまざまな意見が出ていました。  その一部を取り出すと、「既存スキーマを探してなんとか流用するより、業務 を熟知している人が最適なスキーマを作成したほうが現実的」、「独自の“オレ オレ”スキーマが乱立するとシステムを統合する時に厄介だ」、「あまりスキー マにとらわれ過ぎるとXMLDBの命である柔軟性が損なわれる」、「閉じたシステ ムで考えるのか、B2Bのように外部との交換性の高いシステムなのか、あるいは将 来あるべき姿なのか、切り分けないと迷走する」など。果ては「貴族とボヘミア ンの階級闘争」の話になったり、多様な意見が出て白熱したディスカッションと なっていました。 ◆参考「XMLにおける「ボヘミアンと貴族の階級闘争」を読み解く」  http://www.atmarkit.co.jp/fxml/tanpatsu/24bohem/01.html ===================================== 【紹介】XMLコンソーシアムのアライアンス・パートナーについて =====================================  XMLコンソーシアムでは会員規約 第46条にてアライアンス・パートナーを定め ています。これはXMLコンソーシアムが他団体との連携を通じて相互理解と協調を 図る目的で設置されています。XMLコンソーシアムが外部に対してオープンであり、 外部と有効な活動を展開できるのも、こうしたアライアンス・パートナー制度が あるからといえます。  部会活動などXMLコンソーシアムの活動を通じて関連性がありそうな団体が見い だされると、一定の審議や承認の後にアライアンス・パートナーとして登録される ようになっています。登録が完了すると、理事会の了解を得てXMLコンソーシアム の部会や委員会などに参加することができるようになります。  2008年9月現在における、アライアンス・パートナーは下記の通りです。  (XMLコンソーシアムWebサイトの左メニューに掲載されています) ◆XBRL Japan  http://www.xbrl-jp.org/ ◆ECom(次世代商取引推進協議会)  http://www.ecom.or.jp/ ◆製造業XML推進協議会  http://www.mfgx-forum.org/ ◆社団法人 日本旅行業境界  http://www.jata-net.or.jp/ ◆UMTP Japan 特定非営利活動法人 UMLモデリング推進協議会  http://www.umtp-japan.org/ ◆PSLXフォーラム  http://www.pslx.org/jp/ ◆XML技術者認定制度 XMLマスター  http://www.xmlmaster.org/ ◆JAGAT 日本印刷技術協会  http://www.jagat.or.jp/ ◆Linuxコンソーシアム  http://www.linuxcons.gr.jp/  ここまでがアライアンス・パートナーです。ほかにも今年度から新設されたメ ディア・パートナーや支援サイトなどもあり、XMLコンソーシアム活動の幅を広げ ています。 ===================================== 【活動実績:2008年7月】 ===================================== ◆8月19日(火):Webサービス実証部会 ◆8月20日(水):クロスメディアパブリッシング部会 ◆8月26日(火):XML設計技術勉強会 ◆8月21日(木):Web2.0部会 ◆9月02日(火):XMLDB部会 ◆9月08日(月):関西部会 ◆9月10日(水):クロスメディアパブリッシング部会 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆9月11日(木):運営委員会(日本IBM 箱崎事業所) ◆9月25日(木):Webサービス実証部会(会場調整中) ◆9月25日(木):セキュリティ部会(会場調整中) ◆9月26日(金):Web2.0部会(日立ソフト) ◆9月30日(火):XML設計技術勉強会(ジャストシステム) ◆10月8日(水):クロスメディアパブリッシング部会(会場調整中) ◆10月9日(木):運営委員会(会場調整中) ◆10月初旬:XMLDB部会 ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント] 現在は特にありません。 ===================================== 【運営委員会から】 ===================================== ◆MOF2008合同デモシステム向けセキュリティ報告書を公開しました  セキュリティ部会が中心となってまとめた報告書をXMLコンソーシアムのサイト にて公開しています。これは製造業の技術標準化団体の連携によるフォーラム イベントであるMOF2008 (IA懇談会主催)での連携デモシステムに対し、セキュリ ティ技術の適用を検討したものです。  MOF2008合同デモシステム向けセキュリティ報告書  http://www.xmlconsortium.org/public_doc/mof2008_security/mof2008.html ◆メルマガの感想をお聞かせください  XMLコンソーシアムでは、皆さんへの広報手段としてメルマガをより一層活用し ていきたいと考えております。メルマガに関しまして、ご感想/ご要望等がござい ましたら、ぜひお寄せください。 ===================================== 【編集後記】 =====================================  XMLDB部会で話題になった「ボヘミアンと貴族の階級闘争」が盛り上がったのは 2003年ごろの話です。今でもXMLシステムに対する価値観を浮き彫りにする象徴的 なテーマと言えるかもしれません。XMLに対しては、スキーマレスで自由を好む 「ボヘミアン」と、型情報を重要視しスキーマを必須とする「貴族」に分かれる というのです。「私はどっちかな?」と考えると面白いかもしれません。 ===================================== 【このメールマガジンについて】 ===================================== なお、当メールマガジンはXMLコンソーシアム会員を対象に発行しております。 転送する場合は社内に限定するなど、ご配慮をお願いいたします。 次回以降の配信先の変更や追加、および要望はXMLコンソーシアム事務局まで ご連絡ください。 発行人:鶴保征城 編集人:加山恵美 XMLコンソーシアム:http://www.xmlconsortium.org/ 事務局宛てメール :mailto:xmlcons_staff@fsi.co.jp 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