===================================== XML Consortium News X M L コ ン ソ ー シ ア ム ニ ュ ー ス 2009年8月号(2009年8月10日発行) =====================================  総会が終わり、新年度が始まりました。7月はどの部会も年度初めての部会を開 催し、リーダーやサブリーダーを互選し、最後の年となる本年度の活動の柱を固 めつつあるところです。  メールマガジンの配信先については末尾の案内をご覧ください。 ===================================== 【目次】 ===================================== ◆部会探訪:XMLDB部会 ◆部会探訪:次世代Web活用部会 ◆新体制:2009年度の部会リーダー・サブリーダー ◆活動実績(2009年7月) ◆今後の予定 ◆運営委員会から ===================================== 【部会探訪】XMLDB部会(7月14日) =====================================  XMLDB部会は7月14日に本年度初となる部会を開催しました。  冒頭には最新技術動向として、次世代Web委員会の乙守信行氏(ジャストシステ ム)から「どっこい生きているセマンティックWeb、そしてXMLDB利用への展望」 と題してセマンティックWebの動向を解説していただきました。  次世代Web委員会  http://s-web.sfc.keio.ac.jp/intap-public/index.html  乙守氏のいる次世代Web委員会はINTAP(Interoperability Technology Association for Information Processing)内のタスクフォースとして始まり、 「セマンティックWebカンファレンス」や技術資料の公開など活動を続けています。  「ガートナーの先進テクノロジーハイプ・サイクルで言えば、セマンティック Webは「幻滅期」を越え、「啓発期」へと進みつつあるようです」と乙守氏は見て います。壁はデータとしてのWebとドキュメントとしてのWebの間にあるギャップ、 つまり機械と人間のギャップを乗り越えるところにありました。しかしセマンティッ クWebを実現するための標準技術の整備が進み、近年ではそれを体現するサイトが 増えてきています。  さらに2009年には海外で注目すべき動きが続いています。2009年1月にトムソン ・ロイターはCalais 4.0を公開し、6月にはCNETも利用するようになりました。こ れは人やイベントなどにメタタグを付与し、コンテンツをリンクさせるウェブサ ービスです。また6月にはNew York Timesがlinked dataを提供するなど、セマン ティック技術が著名なサイトで適用されるようになってきました。  NYT to Release Thesaurus and Enter Linked Data Cloud  http://open.blogs.nytimes.com/2009/06/26/nyt-to-release-thesaurus-and-enter-linked-data-cloud/  長らく活動を続けている乙守氏から見ると「ここ数年で、ようやくセマンティッ ク技術が現実味を帯びてくるようになりました」と話しています。こうした実装 が進むと、膨大なXMLドキュメントを活用するのですから、XMLDBに注目が集まる のも必然的となりそうです。  講演の後はリーダーやサブリーダーなどを互選し部会体制を整え、本年度の活 動テーマと分担を調整しました。次回の部会は9月9日の予定です。 ===================================== 【部会探訪】次世代Web活用部会 =====================================  次世代Web活用部会(旧Web2.0部会)は7月22日に本年度初となる部会を開催し ました。  同部会は常にWebの新技術やサービスをいちはやく検知しています。今回は同部 会が注目するサービスとしてインフォテリア社のHandbook、バーチャルテクノロ ジー社のReflex iTextの紹介を行いました。  HandbookはiPhoneやiPod Touch向けにマニュアルやカタログなどのコンテンツ を作成、配信、閲覧などができるサービスです。見せるコンテンツや人を限定可 能、動画の再生、クイズや試験が実施できることなどが特徴です。  Reflex iTextはGAEによるPDF生成エンジンです。単にPDFを生成できるだけでは なく、xml(json)またはJavaのクラスで表現されたエンティティを入力データとし て動的にPDFを出力することができるようになっています。  また(本年度も引き続きリーダーに就任した)野村氏からは「安心して情報 共有できるSNSやリスクに強いマーケティングSNSには何が必要?」と題した最近 のSNS動向分析が発表されました。  社内SNSの活性化については「ファシリテーター次第」と言われがちですが、社 内のガス抜きや社交だけがSNSの利益とは限りません(内輪の話では、社内SNSの 評価基準として社員の2chへの書き込み減少を挙げた人もいたとか)。野村氏は社 内SNSがKMインフラとして注目されていることやその重要性を指摘しました。  ただし現実の業務から考えれば、社内の問題解決や知識創造には従来中間管理 層が担ってきた調整機能が欠かせません。そこで社内SNSに求められることとして、 顧客情報や価格など漏えいしてはならない情報を除去して共有できること、社内 外の記事から業務に関連する記事をクリッピングしてコメントを付与することな どを挙げました。マーケティング向けのSNSでも同様のことが言えます。  一方近年では有害情報や個人情報の書き込みは厳しく監視、制限されています。 青少年ネット規制法によるフィルタリング義務づけなどは企業内に膨大なコスト を生じさせています。  こうした必要性から、文書内から5W1Hを検出する技術の重要性が高まっている と野村氏は指摘し、具体的な技術と実践方法も紹介しました。  最後に部会ではリーダーとサブリーダーを互選し、本年度の活動テーマの柱を 調整しました。次回の部会は8月24日(月)の予定です。 ===================================== 【新体制】2009年度の部会リーダー・サブリーダー =====================================  6月の総会を境にXMLコンソーシアムは2009年度に突入しました。XMLコンソーシ アムでは部会リーダーやサブリーダーは年度初めの部会にて、互選で選出するこ とになっています。ここであらためて本年度のリーダーを紹介します(敬称略)。 ◆セキュリティ部会 −リーダー:松永豊(東京エレクトロン デバイス) −部会日程:月に1度(不定期) ◆Webサービス実証部会 −リーダー:松山憲和(PFUソフトウェア) −部会日程:月に1度(不定期) ◆次世代Web活用部会(旧Web2.0部会) −リーダー:野村直之(メタデータ) −サブリーダー:宮崎昭世(日立ソフトウェアエンジニアリング)、         小林茂(日本ユニシス) −部会日程:月に1度(不定期) −次回部会:8月24日 ◆SOA部会 −リーダー:日力俊彦(日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング) −部会日程:原則、月に1度(第3木曜日開催が基本) ◆ビジネス・イノベーション研究部会 −リーダー:牧野友紀(日本ユニシス) −部会日程:基本的に第3木曜日 ◆クロスメディア・パブリッシング部会 −リーダー:桑野和行(ベネッセコーポレーション) −サブリーダー:小野雅史(サイバーテック) −部会日程:月に1度(基本的に水曜日) −次回部会:8月19日 ◆XMLDB部会 −リーダー:加藤哲義(ジャストシステム) −サブリーダー:藤春康弘(日立システム) −書記:佐々木眞人(発明通信社) −部会日程:月に1度(不定期) −次回部会:9月9日 ◆関西部会 −リーダー:芦田尚人(ブレイニーワークス) −部会日程:月に1度(不定期) −次回部会:8月20日 ◆XML設計技術部会 −リーダー:遠城秀和(NTTデータ) −部会日程:月に1度(不定期) ===================================== 【活動実績:2009年7月】 ===================================== ◆7月 8日(水):セキュリティ部会 ◆7月 8日(水):Webサービス実証部会 ◆7月14日(火):XMLDB部会 ◆7月14日(火):関西部会 ◆7月17日(金):クロスメディア・パブリッシング部会 ◆7月22日(水):次世代Web活用部会 ◆7月23日(木):BI研・SOA部会 ◆7月24日(金):XMLマスターベーシック 直前対策セミナー  http://www.xmlconsortium.org/seminar09/090724/090724-info.html ◆8月 6日(木):セキュリティ部会 ◆8月 6日(木):Webサービス実証部会 ===================================== 【今後の予定】 ===================================== [公式イベント] ◆8月19日(水):クロスメディア・パブリッシング部会 ◆8月20日(木):BI研・SOA部会 ◆8月20日(木):関西部会 ◆8月20日(木):運営委員会 ◆8月24日(月):次世代Web活用部会 ◆9月 9日(水):XMLDB部会 ◆9月 9日(水):クロスメディア・パブリッシング部会 ※詳細はコンソーシアムや部会からの案内をご確認ください [関連イベント] ◆9月7日(月)〜9日(水):ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2009(協賛)  http://ses2009.minnie.ai.kyutech.ac.jp/ ===================================== 【運営委員会から】 ===================================== ◆メルマガの感想をお聞かせください  XMLコンソーシアムでは、皆さんへの広報手段としてメルマガをより一層活用し ていきたいと考えております。メルマガに関しまして、ご感想/ご要望等がござい ましたら、ぜひお寄せください。 ===================================== 【編集後記】 =====================================  今月訪問したXMLDB部会と次世代Web活用部会は「セマンティック」にも注目し ているところに共通点がありました。この言葉は新しくはありませんが、登場当 初に比べて近年ようやく技術的にも理念的にも現実味を帯びて定着してきている 気がします。そういえば最近「セマンティックHTML/XHTML」という本も見かけま した。 ===================================== 【このメールマガジンについて】 ===================================== なお、当メールマガジンはXMLコンソーシアム会員を対象に発行しております。 転送する場合は社内に限定するなど、ご配慮をお願いいたします。 次回以降の配信先の変更や追加、および要望はXMLコンソーシアム事務局まで ご連絡ください。 発行人:鶴保征城 編集人:加山恵美 XMLコンソーシアム:http://www.xmlconsortium.org/ 事務局宛てメール :mailto:xmlcons_staff@fsi.co.jp 〒130-0022 東京都墨田区江東橋 2-19-7 富士ソフトビル Tel:03-5600-6205 / Fax:03-5600-6431 Copyright(C) 2009 The XML Consortium =====================================